大阪産業大学附属高校の公演を観劇して

昨年に引き続き今年も、ゲネを観劇させていただきました。稚拙な文章にはなりますが、感想を述べさせていただきたいと思います。
おふざけ満載のパンフレット、コント風味の前説、お約束のダンス、そして唐突に始まる劇の世界。舞台上で目まぐるしく繰り広げられる展開は、まさに大産大演劇部さんにしか出来ないものだなと改めて感じました。大産大演劇部さんの劇には台本が存在しないそうです。あっても、流れを書いただけの、要は進行表のみが存在する、と。そうなると、役者、そして裏方は、あの膨大な量のセリフや展開を全て頭に入れ、また変則的に起こるアドリブにも即座に対応しなければならないのです。これは本当に凄いことだなと思いました。台本が存在しないからこそ起こる、その場限りの面白味。誰にも、何処にも真似出来ない。そういう所に、大産大演劇部さんの強さを感じました。
劇は、とある演劇部(恐らくは大産大演劇部さんがモデル)の男子部員三人が、突如訪れた部室の消失の危機に立ち向かおうとするお話でした。その立ち向かい方全てが想像の斜め上のそのまた斜め上を行くもので、しかも、どうやっても観客の心がネガティブな気持ちになることが有りませんでした。終わり方も爽快で、一時間が本当にあっと言う間で。「来年も大産大演劇部さんの劇が見たい」と心の底から思いました。
また、アドリブで振られた一発芸や、終盤の全員での合唱、タイミングばっちりな音響と照明、カテコの去り方に、「阿吽」の呼吸を、家族のような団結力を感じました。コメディ作品は、ある意味でシリアス作品より演じにくい。では何故大産大演劇部さんは、コメディ作品をさっとやってのけるのか。それは、仲の良さと練習量に裏打ちされた根気強さがあるからだと思いました。
裏方、役者ともに何もかもが最高の劇でした。ありがとうございました。

担当:関西創価高校