堺東高校 観劇レポート

7月26日、堺東高校さんの「オーバーヒート」を観劇しました。

最初から最後まで飽きることなく楽しませてもらいました。そして、これは高校生が作り、演じている作品だということを強く感じました。

真面目と不良という高校生の視点に立ったテーマに始まり、ネーミングの言葉遊び、「音響さんありがとう」といったメタいギャグまで、全編に高校生らしいノリと勢いを感じました。

ノリと勢いが前面に出た作品には違いないのですが、では細かいところを見ると粗雑なのかといえば決してそんなことはなく、演技も演出も非常に洗練された劇でした。

さすが、コンクールでも高い評価を受けた堺東高校さんだなと思いました。

具体的に印象深かった点を挙げれば、役者がその場で走るシーンがあったのですが、走り方がとても自然でよく練習されているなあと思いました。

回想シーンで幼い少女を演じる時も、ステレオタイプな子供像でなく、リアルな子供を演じていて、すごく好感がもてました。

それぞれのキャラが確立されていて、かつ演者が各々のキャラを深く理解しているのが観ていて伝わる劇でした。全員がメインと言ってよいほどに各キャラを見せることができていたので見ごたえがありました。

スタッフ面では、音響を入れるタイミングや選曲にセンスを感じました。また、照明は場面の転換をあまりに自然に表現していたので、劇中ほとんど照明に注意が向きませんでした。裏方として完璧な仕事だったと思います。海の表現も見事でした。

視点を変えるたびにさまざまな工夫に気づくことができる素敵なお芝居であり、今回の観劇は演劇に関わる者として、とても勉強になりました。

堺東高校のみなさん、お疲れ様でした。楽しい時間をありがとうございました。

 

枚方なぎさ高校 演劇部