8月2日 東海大仰星高校「赤鬼」を観劇して

東海大仰星高校さんの「赤鬼」を観劇させていただきました。

会場に入り、まず目を引いたのは、舞台上に広がっている青い布、そして並べてある様々な花の入った瓶でした。「赤鬼」という題名とは対照的な「花」をどのように使うのか、始まる前から想像力を掻き立てられました。

「鬼は人間を食う」という偏見を持つ人々、しかし本来の赤鬼はそんなものではない。現在私たちの社会にはびこる差別、偏見そのもののように思いました。そして、そんな世間の理不尽さに憤りを感じました。

そんな人々とは対照的に赤鬼と心を通わせようとする「あの女」は現代の私たちが見習うべき姿だと思います。

赤鬼の「食え。生きろ。」という言葉はとても印象的で、人間の虚しさと、赤鬼の心の温もりを感じました。

照明、音響は役者との動きやその場面場面にとても合っていて良かったです。特に洞窟の場面や船の上でのシーンが印象的でした。そして、ラストシーンでは、スモークが焚かれている中、後ろの奥に浮かび上がる「あの女」の美しさに魅了されました。

中心の役者の方々は1人で何役もされているにもかかわらず、どの役もうまく表現されていて素晴らしいと感じました。

全く違う環境を生きてきた「人」と「鬼」、それぞれの生き方、言葉の通じない者とのコミュニケーション、それらの出会いがあったからこそこのお芝居は成り立っているのだなと感じるとともに学ばされることが沢山ありました。

全体を通して役者、音響、照明、装置、衣装など細かいところまで凝ってつくられており、この舞台を創り上げることが出来たのも沢山の練習量があったからだと思います。素敵な舞台をありがとうございました。

東海大仰星高校のみなさん、お疲れ様でした。

金蘭会高校三年 相浦 岩崎