7月20日 山田高校 「汚い床で転がって」

前説がとても面白かったです。テンポ感と言い、言葉選びと言い、最近のトレンドが盛りこまれていたのも凄いと思いました。
 照明もとても凝っているなと感じました。照明についての知識が一切ない私でも「間違いなくめちゃくちゃ考えられてるな!」と分かるほどに綺麗で、繊細で、心情の動きや時間の変化がよく伝わってきました。特にオープニングのバックパーが流れるように点滅する部分や、ラストの色の入れ替わるところには「こんな演出の仕方もあるのか!」と思わず感心してしまいました。そして、部室の電気を消した時に夜空に星が光り輝いている様子は綺麗だと言う以外の何者でもなく、「あっ、いいなぁ」と純粋に思えました。
 この作品にはノンフィクションのエピソードが沢山盛り込まれていたと思います。過去の公演などを振り返るシーンもあって、今までの山田さんの作品を見たことのある人は「あっ、あったなこんなこと」と、見たことの無い人は「あっ、気になるな。その舞台見たかったな」と思えるのではないでしょうか。少なくとも私は見たかったと思いました。

 笑えるシーンはとことん笑えて、シリアスなシーンは鳥肌が立つくらい、心揺さぶられて涙を流す人もいるほど高低差が凄い作品だったと思います。山田高校さんの内情に関わるネタが割と多くて、学校の先生など、関係者にとって、面白い作品だなとも思いました。でも、山田高校さんの内情に詳しくない私にとっても凄く面白かったです。むしろ、知らなかったことで「知りたい!観たい!」という気持ちになりました。
 演出、照明、音響、話の内容、全てひっくるめて考えても本当に凄い作品でした。この作品が新たなスタートとなっているという所も考えさせられる所でした。ストレートだけど、とても心に響く作品だったなと思います。
 素晴らしい作品を見させていただきありがとうございました。
 池田高校 東 美遥